弁護士向け|PHP脆弱性問題を踏まえ、HPをお持ちの方がやるべき3つのこと
2026年10月21日から、PHP(ホームページを動かす基盤の一つ)の重大な脆弱性が、大きな話題になっています。
結論から言うと、HPをお持ちの先生が今やることは、次の3つです。
- HPを作ってくれた業者さんに、至急メンテナンスを依頼する
- 今後は定期的にメンテナンスを依頼する(最低でも半年に1回)
- Cloudflareへの移行も、選択肢に入れる
専門的な話は抜きにして、「結局、何をすればいいのか」に絞って解説します。
なお、想定しているのは、一般的な法律事務所のHPです。
何が起きたのか

PHPは、HPを動かす基盤の一つです。世界中のウェブサイトの約7割で使われているとも言われます(正確な数字はさておき、かなり多くのサイトで使われています)。
多くの法律事務所のHPで使われているWordPressも、PHPで動いています。そのため、今回は社会的な影響が大きくなりました。
高市総理もXで、修正版の適用を呼びかけています。ニュースにもなりましたし、大手の通販サイトなどが緊急メンテナンスで一時停止する場面もありました。高市総理のX
先生ご自身のHPが、一時的に表示されなかった方も多かったのではないでしょうか。
まず知っておきたいこと

基本的には、HPを置いているサーバー(ロリポップ、エックスサーバー、さくらのレンタルサーバなど)が、修正版を適用してくれています。10月21日〜22日にかけてHPが表示されなかったのも、その作業のためです。
ただし、これには前提があります。
- PHPのバージョンが新しい(サポートされている):サーバーが修正版を適用してくれる
- PHPのバージョンが古い(サポートが終わっている):修正版が適用されない、または応急処置だけのことがある
PHPが古い状態は、サポートの切れたWindows95やWindows XPを使い続けているようなものです。問題が見つかっても、「サポートが切れているので対処しません」となってしまいます。
ただ、今回は影響が非常に大きかったため、古いPHPに対しても、ある程度の対処をしたサーバーが多かったようです。
とはいえ、今回はあくまで特別な措置であり、PHPを古いまま使い続けられるわけではない、という点は押さえておいてください。
2〜3年メンテナンスしていないHPは、要確認です

PHPのバージョンは、勝手には更新されません。そして、ご自身のHPのPHPが今どうなっているかを、ご存じの先生は多くないと思います。
あくまで目安ですが、業者さんにメンテナンスを2〜3年以上頼んでいないHPは、特に確認が必要です。もちろん、2〜3年以内にメンテナンスをした場合でも、確認は必須です。
放置すると、起こりうること

「うちは個人情報を載せていないし、会員サイトもないから大丈夫」と思われるかもしれません。今のところ、問題なく表示されている先生も多いと思います。
ただ、いつ問題が起きるかは分かりません。不安を煽るつもりはありませんが、起こりうることとして、次のようなものがあります。
- サイトを乗っ取られて、違法サイトや詐欺サイトに書き換えられる
- 相談予約フォームに入力された、相談内容や個人情報が抜かれる
- 自分のHPが起点になって、他のサイトへの攻撃に使われる
何か問題が起きたとき、「メンテナンスをしていなかったことが問題視される」場面につながりかねません。信頼が大事な弁護士にとっては、軽く見ないほうがよい点だと思います。
今日からやる3つのこと

1. 業者さんに至急メンテナンスを依頼する
HPは、外注されている先生が多いと思います。作ってくださった業者さんと今もつながっている場合は、「うちのサイトは大丈夫ですか」と、こちらから聞いてみてください。
業者さんによっては、頼まれない限りメンテナンスをしないこともあります。問題がなければそれで安心ですし、メンテナンスがされていなければ、至急ご依頼ください。
すでに何かを埋め込まれてしまっていた場合は、これからメンテナンスをしても間に合わない可能性があります。それでも、まずはすぐにご連絡いただくのが大切です。
今の業者さんと連絡がつかない、他の方に頼みたいという場合は、当事務所でも対応できます。当事務所は2019年から、HP制作を仕事として行っています。
ご相談いただいたからといって、すぐに費用が発生するわけではありません。お見積もりをお出しし、費用が発生する場合は事前にお伝えします。
2. 今後も、定期的にメンテナンスする

当事務所が過去に制作したHPは30以上ありますが、ご希望の先生には、半年に1回のメンテナンスを行っています。今回も、PHPは最新のバージョンに対応済みだったので、問題は起きませんでした。
数年メンテナンスをしていないと、PHPのバージョンを上げること自体にリスクが伴います。健康診断のように、定期的に点検しておくことが大切です。
最近は、上場企業でも情報漏洩が相次いでいます。その背景には、攻撃する側がAIを使っていることがあると言われています。AIを使うことで、攻撃のハードルが下がり、攻撃の回数も精度も上がっているということです。
これまでは「半年に1回」で十分と考えていましたが、今後は半年でも間に合わなくなるかもしれません。それでも、最低でも半年に1回はメンテナンスをおすすめします。
3. Cloudflareへの移行も、選択肢に入れる

Cloudflareは、世界中のサイトを速く安全に届けている、アメリカの上場企業です。ここ1〜2年で出てきた会社ではなく、歴史のある、しっかりとした企業です。
Cloudflareを使うと、HPへのアクセスは、まずCloudflareを経由します。有害な通信はその時点でブロックされるので、セキュリティにも定評があります。
簡単に言うと、サーバーの代わりにCloudflareにHPを置くイメージです。法律事務所のように、毎日大量のアクセスがあるわけではないサイトであれば、基本的には無料で使えます。
PHPを動かさない作りにできる

Cloudflareの大きな特徴は、PHPを動かさない作りにできることです。WordPressはPHPを使っていますが、Cloudflareで作ればPHPを使わないHPにできるので、今回のようなPHPの問題は受けません。
ただし、「Cloudflareにすれば100%安全」というわけではありません。上場企業でも情報漏洩が起きる時代で、100%安全というものは、おそらくありません。あくまで、リスクを減らすための選択、というご理解でお願いします。
AIを使えば、運用が圧倒的に楽になる

もう一つ、大きなメリットがあります。Claude CodeやCodexといったAIを使えば、HPの運用が圧倒的に楽になることです。
WordPressでは、文章の修正や新着の投稿はできても、デザインの変更やページの追加は難しいと感じる先生が多いと思います。CloudflareとAIを組み合わせると、これらも自由にできます。「こういうページを作って」「この記事の叩き台を作って。ここを直して。公開しておいて」といった指示を、AIに出すだけです。
ご自身でAIを使えなくても、制作を外注した先がAIを使えれば、同じように運用できます。数年ごとのデザインの刷新も、一から外注せずに行えます。
2026年9月にリリースされたClaude Opus 5.5の性能が非常に高く、AIを使ったHP制作が一気に現実的になりました。僕がCloudflareへの移行をおすすめしている理由の一つです。
一方で、僕がCloudflareを絶対に正しいと考えているわけではありません。「WordPressはオワコン」という意見も、そうではないという意見もあります。WordPressのまま定期的にメンテナンスを続けて、当面しのぐのも、十分な選択肢です。ご自身で調べたり、信頼している方の意見を聞いたりして、ご判断ください。
移行は、ご自身でも外注でもできる

移行は、ご自身でも、外注でも可能です。
- ご自身で作る場合:Claude Codeなどを使って、ご自身で移行できます(時間と知識は必要ですが、外注費用はかかりません)
- 外注する場合:知識のある人に依頼したほうが、安心です(その分、費用はかかります)
僕自身は、法律事務所のHPをCloudflareとClaude Codeで制作し、すでに公開済みの事務所もあります。現在、ご依頼いただいている事務所も複数あります。
また、まずは自分のサイトで試そうと思い、WordPressで運用していた3〜4つのサイトを、すべてCloudflareへ移行しました。今はWordPressのサイトは持っていません。このHPも、Cloudflareで運用しています。移行の経緯は、こちらの記事にまとめています。
まとめ
- HPを作ってくれた業者さんに、至急メンテナンスを依頼する
- 今後は最低でも半年に1回、定期的にメンテナンスを依頼する
- あわせて、Cloudflareへの移行も選択肢に入れる(HPが3〜5年経っているなら、リニューアルの機会にも)
HPの見積もりのご依頼はもちろん、依頼するかどうかを検討するためのご質問も、お気軽にご連絡ください。オンラインで、お話しすることもできます。
なお、技術的なご質問への回答を、無料で幅広くお受けすることは難しい点は、ご了承ください。




