弁護士向け|現役ライター直伝「キラリと光る外注ライター」の探し方

前回の記事では、法律事務所のコンテンツ作りを任せるためには、「どんな資質を持つライターが望ましいのか」についてまとめました。

しかし、当然ここで話は終わりません。
「条件に合ったライターをどうやって探すのか?」という問題が別途発生するからです。
この記事では、
「良いライターさんが全然見つからないよ!」
「そもそもどうやって探したら良いの?」
そういった弁護士向けに、現役ライターだからこそわかる「キラリと光る外注ライター」の探し方をご紹介します。
良いライターに出会うことで、発信の頻度やクオリティが格段に上がります。
他方、良いライターに出会えないと、弁護士自身が手を動かす必要があったり、時間が取れず発信の頻度も落ちかねません。
本記事は、法律系ライター歴3年の紀村真利と、パラレルワーク弁護士の新井玲央奈の共同執筆です。
紀村 真利

慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、2016年からフリーランスのWebライターとして本格的に活動。2019年、法律系資格取得を決意したことをきっかけに、法律系ライターに転身。
法律記事のライティング、法律事務所HP内コンテンツの作成、弁護士ポータルサイトのコラム執筆、インタビューなど豊富な経験を有しています。
新井 玲央奈

弁護士として13年、これまで2,000記事以上のブログを書き、現在も月10万PV以上の個人ブログを運営。
法律事務所のHPや分野特化サイトの制作(サイト自体の制作及びライティング)、分野特化ブログのSEO対策及び記事制作などを経験してきました。
1.まず方針を決める

まず前提として、「求める条件の大半をクリアできるライターは数が少ない」ということを踏まえた上で、方針を策定する必要があります。
条文や基本書、判例を正確に読めるライターはあまりいません。
そして、逆に条文や基本書、判例を正確に読める人の多くはライター経験がありません。
したがって、
- ネットや知人の紹介経由で実績のある経験者を探す
- 未経験者の中からダイヤの原石を自分で育成する
選択肢としては、どちらかになってくると思われます。
①ネットや知人の紹介経由で実績のある経験者を探す
有資格者(弁護士、司法書士、行政書士。登録していない人も含む)、パラリーガル経験者、ロー生などが副業・本業でライター業をやっていることがあります。
ただし、相対的に数は少なめです。
また実際の文章スキル、知識レベルにはバラツキがあります。
採用するときは、あらかじめテストライティングで実力を試すと外れにくいです。
②未経験者の中からダイヤの原石を自分で育成する
予備試験・司法試験受験生、修習予定者などの中から、「文才のある人」を引っ張ってくる方法も考えられます。
予備試験も司法試験もとにかく大量に文章を書かせる試験だけに、相対的に「ロジカルなライティングに長けた人物」の割合は多い印象があります。
実際に紀村は司法試験・予備試験受験生を対象にテストライティングを実施した経験がありますが、選考側として相当の手応えを感じました。
ライティング未経験者にも関わらず、Webライターの中堅〜上層部に匹敵するレベルの文章力のある方が多かった印象です。
ライター未経験でも、書ける人は書けます。
ただし、ライティング未経験者をゼロから育てるとなると、育成側にもライティングに関する相応の知見が求められます。
自分で育てる余力がない場合は、ライター全体の取りまとめ・教育を担当するディレクターを外部から引っ張ってくる必要があるでしょう。
2.よいライターはどこに生息しているのか?

ダイヤの原石を育てる場合はさておき、即戦力がほしい場合はどこかから経験者を発掘しなければなりません。
それでは、頼れる即戦力をどう探すべきなのか?
ライターを探す方法について紹介します。
(1)クラウドソーシング
ツテがない状態でライターを探すのであれば、クラウドソーシングが手軽です。
保有資格、ジャンルなどのデータを打ち込んで検索をかけることで、条件に合うライターを短時間でピックアップできます。
「こんな人が…!」というような実力者が生息していることも。また、他のルートで発注する場合よりも、発注単価は若干安めです。
その一方で、手数料が高いなどの理由から、実績のある専業ライターほどクラウドソーシングを卒業していってしまう傾向があるのも確かです。
クラウドソーシングに登録しているライターの数は多いのですが、質については玉石混交です。
特に、安い単価で発注した場合はクオリティの担保は難しくなる可能性があります。
副業感覚でライティングをしている人の中には著作権に関する意識が甘い方も(残念ながら)いるようなので、人選には十分な注意が必要かもしれません。
なお、クラウドソーシングを利用する場合は、プラットフォームの規約にも注意が必要です。
クラウドソーシングの規約では一度契約関係に入ったフリーランスとは直取引ができないルールになっていることが多いですし、やりとりも基本的にプラットフォーム上に限定されます。
柔軟な取引をしたい場合は、直取引のほうが融通がきくでしょう。
(2)SNS
ライターさんの中には営業活動の一環として、TwitterやFacebookといったSNSを運用している方もたくさんいます。
SNSを運用されている先生方であれば、SNS経由でライターを探されてみるのもよいと思います。
そのときは「#法律」「#ライター募集」といったハッシュタグをつけてライター募集ツイートをしたり、「法律 ライター」のキーワードでSNS内で検索をかけたりすると条件にあったライターが見つかりやすくなるでしょう。
1人めぼしいライターを見つけると芋づる式に同ジャンルのライターが見つかることもありますので、とりあえず法律ライターを名乗っている人はフォローしてみるとよいかもしれません(笑)
(3)Web制作会社・コンテンツ制作会社
Web制作会社にサイトの制作などを依頼した場合、会社側でコンテンツを書けるライターを用意してくれることがあります。また、コンテンツ制作を専門に請け負っている制作会社もあります。
ツテもない、自分で探すのが大変だ、という場合は、こうした会社にライター探しからコンテンツ制作まで丸投げしてしまうという方法もアリです。
ただし、中間業者が入っている分価格が高くなる可能性があること、必ずしも法律に詳しい人が記事を担当するとは限らないことには留意するべきかもしれません。
(4)紹介
人探しのハードルはあがりますが、一番確実な方法は「紹介」です。
専業ライターの場合も本当によい案件は友人・知人間の紹介で回ってきますので、できる人ほど紹介された案件(および指名された案件)だけで毎月の仕事枠が埋まってしまいます。
「良いライターさんがいる」という情報を友人や知人に聞いたら、すかさず紹介してもらいましょう。
おわりに

Web集客、特にSEO対策にとって、肝となるのはサイトの中身=コンテンツのクオリティです。
さらに法律事務所が発信するコンテンツには信頼性・専門性も求められるため、「ライターなら誰にでも頼める」というわけではありません。
ここまで、SNS、クラウドソーシングなどライターを探す方法をいくつかご紹介してきましたが、最後は「運」によるところも大きいのかな、と思います。
安心感を考えると「誰かからの紹介」がベストですが、紹介につながるツテがない場合であってもSNSやクラウドソーシングを上手く活用することで、理想のライターが見つかる可能性は十分にあります。
コンテンツマーケティングにおいて、ライターは頼れるビジネスパートナーです。
安心して長く付き合えるパートナーを見つけるためにも、どうかじっくりと相性の良いライターを見極めていただければと思います。
なお、新井はWeb制作・コンテンツ制作のディレクション、紀村はライター育成の分野でも活動しております。
もしお手伝いできそうなこと、お困りのことがありましたら、お気軽にお声がけいただけましたら幸いです。
次回は、「デキるライターを見極めるポイント4つ」をご紹介します!