【士業向け】SEO対策を使った集客に挑むべきではない理由
「士業をサポートする弁護士」として、弁護士・HP制作・動画制作・法律系ライティングなどを行っている新井です。
士業からホームページ(HP)の新規作成・リニューアルのご相談を受ける際、
- SEO対策もできますか?
- SEO対策もやった方が良いですか?
- SEO対策すれば相談や依頼が増えますか?
こういった質問をいただくことがあります。
そこで今回は、「士業はSEO対策で集客できるのか?」「SEO対策をした方が良いのか?」といった疑問にお答えします。
前提として、「SEO対策とは一体何なのか?」という基本から解説します。
僕自身、月10万PV以上のモノ系ブログを運営しています。
SEO対策に取り組んだおかげで、ニッチなキーワードですが検索上位を複数取っています。
そういった経験も踏まえて解説いたします。
結論
SEO対策が成功すれば、集客できます。
ただ、その「成功」が非常に難しいです。
膨大な時間・労力・費用が必要な上、成功する保証もありません。
しかも一度成功しても、常にSEO対策を続け、競合と勝負する必要があります。
ですから、
- 外注費用は惜しまない
- 事務所内に十分なノウハウとマンパワーがある
こういった事情がない限り、安易にチャレンジすべきではない、というのが僕の考えです。
SEO対策とは?
「Search Engine Optimization」の略で、「検索エンジン最適化」を意味します。
簡単に言うと、ある単語でGoogle検索された時に、自分のHPを上位表示させるための取り組み全般です。
一応Google以外にも検索サイトはありますが、Googleが圧倒的にメジャーです。
「SEO対策=Googleの検索エンジン最適化」とお考えください。
例えば「離婚 弁護士 相談」「確定申告 税理士 依頼」といった単語で検索された時、自分のHPが上位表示されればクリック数が増えます。
そして、そのうち何%かが相談・依頼をしてくれます。
そのために様々な取り組みをすることが、「SEO対策」です。
SEO対策は、具体的に何をするのか?
「HP制作業者が何か設定するんでしょう?」
そういった誤解をされることがあります。
確かに昔は、士業のHP自体が少なかったですし、
- 被リンクをたくさん集める
- 地名などのキーワードをたくさん入れる
こういうテクニックが通用していた部分はあります。
しかしGoogleは日々進化しており、今は小手先のテクニックで上位表示されることはありません。
Googleはもっと本質的なところを見ていて、「ユーザーファースト」、つまりユーザーにとって有益なサイトを上位表示させます。
皆さんが何か調べる時、検索結果の精度が低いと、Google検索を使わなくなりますよね?
そうならないように、とにかくユーザーのニーズに応えることを重視しているわけです。
ですからSEO対策というのは、「うちのHPはユーザーにとって有益ですよ!」ということを、良質なコンテンツを上げる(上げ続ける)ことで証明していく、というイメージです。
もちろん、
- モバイル対応する
- サイトの表示速度を上げる
- 検索されやすいキーワードを入れる
- クリックされやすいタイトルにする
こういったテクニックも重要です。
しかしそれは、「良質なコンテンツを上げる(上げ続ける)」という基本があってこそ意味を持ちます。
SEO対策をオススメしない理由
基本的な考え
ここまで解説しましたとおり、SEO対策は、とにかく膨大な時間・労力・費用が必要です。
しかもSEO対策による集客は、既に大規模事務所やポータルサイト等が行っています。
これからSEO対策に本腰入れる方は、そこと対等に戦う覚悟と資源が必要です。
残念ながら、業者がパッと設定したり、忙しい業務の合間に取り組んで太刀打ちできるものではありません。
中途半端に手を出して、時間や費用を掛けて、結局成果が出ずに撤退するというのは非常にもったいないです。
ですから、SEO対策に安易にチャレンジすることはオススメできません。
小規模事務所であれば、なおさらです。
例外的にSEO対策が成功しやすい場合
- 士業が少ない地域
- SEO対策をしている士業が少ないニッチな分野、新しい分野
このあたりでしょうか。
例えば弁護士であれば、本庁から電車で20分〜30分くらいしか離れていなくても、弁護士が少ない地域があります。
そういう地域では、HPを作る段階である程度コンテンツを盛り込んで、モバイル対応や基本的なセキュリティ対応等をしっかり行えば、「○○市 弁護士」で調べた時に上位表示を狙える見込みがあります。
また、新しい分野やニッチな分野は、シンプルに競合が少ないからです(競合が増えると順位を落とすリスクはあります)。
逆に言うと、こういったケースでない限り、士業がSEO対策に挑むのはコスパが悪すぎます。
判断に迷う方へ
ここまでの説明を読んでも、SEO対策を捨てきれない方もいらっしゃるはず。
[blogcard url=”https://webma.xscore.co.jp/study/lawyer-seo/”]
そういう方は、こちらの記事の「法律事務所・弁護士ホームページのためのSEO施策」以降をご覧ください。
非常に良くまとまった記事です。
弁護士の話ですが、他士業でも基本的に同じです。
こちらをご覧いただき、「これならやれそうだ!」と思われたら、チャレンジするのもアリです。
他方、「これを実行するのはしんどいな…」と思われたら、SEO対策は諦めても良いと思います。
では、何のためにHPを作るのか?
僕がオススメしているのは、「SEO対策をしてネット集客するため」ではなく、「紹介などで依頼を増やすため」です。
つまり、クライアント・同業者・他士業・仕事関係者・知人などからの紹介、SNS、異業種交流会、地域のコミュニティなどを通じて接点を持ったときに、安心・信頼を得るためのHPです。
検索以外でも、HPを見られる機会はたくさんあります。
その時に、皆様の人柄・業務内容などをしっかり伝えられれば、安心・信頼を得やすくなります。
また、ミスマッチも防ぎやすくなります。
SEO対策・ネット集客をしない「紹介メイン」の士業でも、HPはきちんと作るべきだと思います。
いわば、HPは事務所の「顔」のようなものです。
ご案内
4つのステップに沿って、「何をすべきか」「どういうポイントを抑えるべきか」を具体的に解説しました。
「自分でも作れるの?業者に頼んだほうが良いの?」「業者はどうやって選べば良いの?」といった疑問にもお答えしています。
「そのうちHP作ろうかな(リニューアルしようかな)」という方にも、具体的に検討されている方にも、役に立つ内容になっています。
当事務所のHP制作について
まとめ
「SEO対策」に関する基本的な解説をしつつ、「士業はSEO対策で集客できるのか?」「SEO対策をした方が良いのか?」という疑問にお答えしました。
確かにSEO対策が成功すれば集客できますが、膨大な時間・労力・費用が必要な上、成功する保証もありません。
ですから基本的に、SEO対策にチャレンジすることはオススメできません。
参考になれば嬉しいです。