弁護士向け|法律文書とは違うWeb文章の書き方ルール7選

弁護士でも、Web上で誰かに向けて文章を書くこと(=Webライティング)は珍しくありません。
- ブログを書く
- SNSで発信する
- ホームページに載せる文章を書く
ところがWebライティングは、普段準備書面や内容証明で書いている文章とは作法が違います。
そこで、弁護士が注意したい基本ルールを紹介いたします。
「ルール」と言っても唯一絶対のものではありませんが、ある程度共通認識のあるものをピックアップしました。
結論
- 数字とローマ字は半角
- 「,」ではなく「、」
- 一文を短く
- 頻繁に改行する
- 漢字をひらく
- 最初を一文字あけない
- 結論を先に書く
ポイントは、「弁護士自身が読みやすい文章を書く」のではなく「読み手が読みやすい文章を書く」。
服装やマナーにTPOがあるのと一緒です。
「普段弁護士業でこう書いてるから」ではなくて、書く場所に合わせる。
そうすることで、読み手に違和感を与えず、より伝わる文章になります。
「別に『自分は』読みづらくないけどな」と思わず、
- 他の方がどう思うか?
- スマホで見るとどう思うか?
という視点でチェックしてみてください。
弁護士の中でも「人それぞれ」ですが、一つでも参考になれば嬉しいです!
①数字とローマ字は半角

弁護士業務では「全角」が当たり前ですが、Webでは「半角」が圧倒的に多いです。
「全角は絶対NG」ではありませんが、パッと見たときに違和感を与えます。
また、
- WEB DESIGN
- WEB DESIGN
- 2023年1月12日
- 2023年1月12日
こうして見比べると、全角だと少し野暮ったく見えます(弁護士だと、むしろ全角の方がしっくり来ると思いますが……)
②「,」ではなく「、」
弁護士業界では、読点は「,」が常識。
ところが、Webライティングでは「、」です。
というか公文書でもない限り、世の中の多くは「、」です。
これも「ルール違反」ではありませんが、パッと見たときに違和感を与えます。
また、堅苦しい印象を与えます。
③一文を短く

弁護士の文章は、やや長い傾向にある気がします。
現在、半分以上がスマホで読み、しかもスキマ時間に読み流す人が多いです。飛ばし読みも普通です。
一文が長いと、主語・述語、修飾語などの関係が複雑になって頭に入りづらいです。
ですから、とにかく一文は短く。
目安は、
- 一文はスマホで見て2,3行まで
- 「、」は一文に原則1個、多くて2個
この2つを意識すると、自然と一文は短くなります。
④頻繁に改行する
弁護士業で書く文章では、意味が変わるまで改行しないのが普通です。
しかし、Webライティングでは頻繁に改行します。
どこを読んでいるか見失ったり、読む気を失うリスクがあるからです。
「。」が来たら原則改行、くらいの意識で良いと思います。
例えば、
今朝は7時に起きました。今日は睡眠時間を多く取れたので目覚めが良かったです。カーテンを開けて朝の光を浴びて気分もすっきり。顔を洗って、コーヒーを淹れて、久しぶりに朝食をゆっくり食べました。慌ただしい毎日の中でも、こうした時間を意識的に取るのは大切です。
画面に表示された瞬間、「うっ」と身構えます。
ブログやSNSでも、だんご状に固まっている文章を見かけます。
次に、文章は変えずに「。」が来たら改行してみます。
今朝は7時に起きました。
今日は睡眠時間を多く取れたので目覚めが良かったです。
カーテンを開けて朝の光を浴びて気分もすっきり。
顔を洗って、コーヒーを淹れて、久しぶりに朝食をゆっくり食べました。
慌ただしい毎日の中でも、こうした時間を意識的に取るのは大切です。
(内容はさておき)とても読みやすくなりました。
⑤漢字をひらく

僕自身は、「漢字にできるものは極力漢字のほうが良い」と思っていました。
ただWebライティングでは、漢字にできるものでも「ひらく(ひらがなにする)」と読みやすいです。
漢字が多いと、文字が詰まって堅苦しく見えますし、疲れてしまいます。
目安は「漢字3割:ひらがな7割」と言われますが、
- 「漢字にできるものは全部漢字にする」という意識を捨てる
- ひらがなを、気持ち多めに
そういう意識でも十分です。
⑥最初を一文字あけない
準備書面などは最初の一文字をあけるのが当然です。
しかし、Webライティングではあけません。
「なんで?」と言われると困るのですが、多くの文章がそうなっているので、合わせたほうが違和感がありません。
⑦結論を先に書く

Webライティングでは、「結論を先に書く」というのが当然といえます。

先に結論(オチ)を書いてしまったら、その先を読んでくれないのでは?
読み手は、「自分が欲しい情報が書いてあるか」を真っ先に知りたいんです。
その結論が有益であれば、その理由を知りたいと思って読み進めてくれます。
タイトルに引かれてクリックしたものの、結論がなかなか出てこず「もういいや」と離脱した経験があるはずです。
ですから、できるだけ早く結論を書くのがオススメです。
有名ブロガーが書いた本です。
ブログ運営などの話が多いですが、「伝わる文章やコンテンツを作る」という観点で参考になります。
Webライティングは、普段準備書面や内容証明で書いている文章とは作法が違います。
ポイントは、「弁護士自身が読みやすい(慣れている)文章を書く」のではなく「読み手が読みやすい(慣れている)文章を書く」ということ。
SNS・ブログ・HPで発信する際、一つでも参考になれば嬉しいです!